【セミナーレポート】『ことばとコミュニケーションをはぐくむ暮らしのヒント』by石上志保先生
2022年 05月29日
arTeaTreaTのオンラインセミナー『ことばとコミュニケーションをはぐくむ暮らしのヒント』を開催し、12名の参加がありました。
昨年度に引きつづき言語聴覚士の石上志保先生に、言葉の発達がゆっくり目なお子さんに対して、ST(言語聴覚士)が診るポイント、コミュニケーションと言葉の発達の鍵としくみ、暮らしの中でどう育むか?などのテーマについて、STと親の両方の視点からお話いただきました。
石上先生は、長年子どもたちの言語・コミュニケーションの発達を支援されており、ダウン症のお子さんの母親でもあります。
初めに『理解』と『脳の情報処理』のステップから、コミュニケーションと言葉の発達の鍵の見つけ方について、わかりやすく説明いただきました。
一例として、「日常理解が難しいと外部からの情報が入りずらい可能性もあり、その原因は耳の聞こえ、注意コントール、聞き取りが苦手、視覚・感覚的な情報処理が苦手かもしれない…」など。おおもとの原因がわかると、トレーニングの内容も絞られますね。
子どもの特性はいろいろですが、子どもと関わる際に基本的に大事にしたいことは、
「記憶できる回数と、聞き取れるスピードを意識する」ことだそう。
ゆっくりと、目の前の子どもが理解できる量と言葉の内容で、周囲の大人にとっては忍耐が必要ですが、その少しずつの積み重ねが、最終的に発達を促すことになるそうです。
親としての心構えについても、様々なお話がありました。
中でも特に印象深かった『目標』についてのお話をご紹介します。
療育や家庭内など、日頃から子どもの成長に対して『目標』を意識しがちです。それに向かって頑張ろうとするけど、なかなか続かないこともあってモヤモヤするものです。
子どもの能力に関する目標を立てると、すぐに変化も見えづらいので努力も続きづらい。
子どもに対してではなく、自分(親自身)に対しての目標を持つと日常になり続けやすく、不要になれば「できない」ではなく「やめればいい」だけ。
そんなお話しに「なるほど〜!」と思った次第です。
例えば「1日1回はサインで話しかける」「1日1回ゆっくり話しかける」など親子にとって無理のない目標を作ったり、遊び以外にも生活の中で決まって何かを一緒にすることをつくっておくと自然と日常の一部になるのでおススメだそう。物理的に触れられる物だとわかりやすいそうです。
「一緒に食事をする」ことも一緒にすることになりますね。
「発達には近道はなく、年月がかかるものです。」と話される石上先生。
焦らず、ゆっくりとでも、毎日一歩ずつ、辛抱強く。大人も同じように成長です。
忙しい日常の中で、常に親子だけだと煮詰まることも出てくると思います。
そんな時は、ぜひarTeaTreaTのオンラインや参加型プログラムで息抜きしにいらしてください。いつでもお待ちしています!
講演してくださった石上志保先生、参加者のみなさま、ありがとうございました!!
さて、次回のarTeaTreaTプログラムのお知らせです。
◇6月12日(日)10:30~屋外アート『のびのびアート』を開催します♪
場所:世田谷区の砧公園みんなのひろば(インクルーシブ遊具のあるエリアです)
◇6月26日(日)10:30~12:00 『おしゃべり会』を開催します♪
場所:おでかけひろばULALA
プログラムの詳細はこちらをご覧ください。
まだまだお申込み受付中です♪
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