【セミナーレポート】「子どもが元気になるおうち時間(在宅ケア)~感覚は心の栄養~」by梶原厚子先生

2021年 11月21日

気持ち・感情・感覚をテーマにしている、AET秋のオンラインプログラム。

第二弾は、株式会社スペースなる代表の梶原厚子先生を講師にお招きし、

「子どもが元気になるおうち時間(在宅ケア)~感覚は心の栄養~」というタイトルでオンラインセミナーを開催しました。

家族の孤立を防ぐため、人が人らしく生きるため、継続的な訪問を目指されている訪問看護の先駆者である梶原先生。セミナー冒頭にお話された支援者の心得には、我々も支援する立場として背筋がピーンと伸びる思いがしました。

今回のメインテーマである心の栄養「感覚」については、赤ちゃんがお腹にいる時からの感じ方や備わっている力、発達プロセスを、順を追って詳しくお話いただきました。

感覚には、土台となる「聴覚・前庭覚・固有受容覚・触覚・視覚」があり「感覚の積み木」と例えられます。

その中でも特に「触覚」は、どんな赤ちゃんにも備わっているものだそう。

一例として、体幹が弱めの赤ちゃんが自分の力でボディチェックができるよう、オーガンジーなど薄手の布で全身を包んであげると自分の手足の位置が感覚的にわかりやすくなるなど、様々な事例を紹介いただきました。

感覚過敏のお話で印象的だったのは「敏感の裏側には鈍麻が隠れている」ということ。

敏感と鈍麻は真逆と捉えられがちですが、実は「鈍麻」による気付きずらさ・不安から「過敏」に反応している場合も少なくないそうです。

「過敏」は「過剰な解釈により怖がることが多いため、感覚から逃げられる見通しが立つと本人の安心に繋がりパニックが減る」ということ。

「鈍麻」は、「皮膚の張りが弱いため、温度や痛みに本人が気が付かず、低温やけどなどになることも。対策の一つとして、しっかり目に触れたり、スキンケアも大事」だそうです。                     

保育園、幼稚園、就学先などで集団生活を送るようになると、子どもの過敏や鈍麻についてお困りの親御さんも多いと聞きます。

「敏感の裏側には鈍麻が隠れていることを周囲に伝えることで、理解も得やすくなると思います。」と話される先生の言葉は、支援者側の私たちにとっても希望となりました。

「どんな子にも生きる力がある」「成長や発達はいつからでも、どんな子にもある」

数多くのご家族を支援をされてきた先生の説得力のある言葉です。

障害や特性有無によらず子どもたち一人ひとりと接する中で、気づいたことを大切にしていきたいものですね。

梶原厚子先生、参加者のみなさま、貴重なお時間を一緒にお過ごしくださりありがとうございました!!

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